【子連れソウル旅行】景福宮の守門将交代式とサムゲタン|11月の寒さと10人家族の3日目 #3

3 景福宮・サムゲタン編 旅行記
3 景福宮・サムゲタン編

3日目は、歩いて楽しむ王宮観光の日である。前日までの地下鉄移動やアトラクションとは打って変わって、この日は自分の足でソウルの街を感じる一日になった。

朝の行列と、身体に染みるタラのスープ

朝一番に向かったのは、ホテルから歩いてすぐの「武橋洞(ムギョドン)プゴグッチッ」というタラのスープを出す店だった。到着してみると、店の外にはすでにかなりの行列ができている。朝からこれだけ並ぶということは、それだけの理由があるのだろう。10人で列に加わり、しばらく待ってようやくありついた温かいタラスープは、朝の冷えた身体を内側からじんわりと解かしてくれた。

武橋洞プゴグッチッ 外観
武橋洞プゴグッチッ タラスープ

世宗大王銅像と、景福宮までの散歩道

食事を終え、身体がぽかぽかとしてきたところで、景福宮まで歩いて向かう。腹ごなしにはちょうどいい距離感で、大人も子供も自然と歩調が揃った。

景福宮の手前まで来ると、大きな銅像が出迎えてくれた。世宗大王(セジョンデワン)銅像である。ここで一旦足を止め、10人揃っての記念撮影。こうして節目節目で写真を残しておくのも、後から振り返る楽しみのひとつだ。

守門将交代式に、10人が釘付けになる

景福宮に入ってからは、まず一通り敷地内を散策した。広大な敷地に立ち並ぶ伝統建築を眺めながら歩いていると、ちょうど守門将の交代式が始まるところに行き合った。色鮮やかな伝統衣装に身を包んだ守衛たちが、決まった所作で交代していく様子は、思わず足を止めて見入ってしまうほどの見応えがある。10人全員、しばしその光景に釘付けになっていた。

サムゲタンで、無言の昼食

一通り見学を終えたところで、昼食にはサムゲタンを選んだ。向かったのは「正統参鶏湯元家」という店。

店に着く頃には、朝の行列待ちと歩き通しの疲れもあって、全員お腹はすっかり空ききっていた。運ばれてきた土鍋の中には、丸ごとの鶏に、もち米や高麗人参、なつめが詰め込まれている。ぐつぐつと煮立った鍋から立ち上る湯気だけで、もう身体が温まっていくのがわかる。スプーンで身をほぐしながら食べ進めると、鶏肉はほろほろと骨から外れ、染み込んだスープの滋味が、朝から歩き通した身体にじんわりと沁みていった。

10人全員が同じ土鍋を前に、無言でスプーンを動かす時間がしばらく続いた。それだけ、この一杯に集中させられる説得力があったということだろう。

11月のソウル、寒さを甘く見ていた

腹を満たしたところで、この日の後半戦、東大門へと向かう。

ただ、ここで正直に書いておきたいことがある。この旅を通して一番こたえたのは、実は寒さだった。11月中旬から下旬のソウルは、正直なところ舐めていた。日本の同じ時期の感覚で身構えていると、体感としてはワンランク、いやツーランクは厳しい冷え込みが容赦なく襲ってくる。東大門周辺を軽く歩いている間も、体温をじわじわと奪われていく感覚がずっとつきまとった。

THE MASK SHOPで、お土産の荷物が増えていく

市場の中までじっくり見て回る気力は、この寒さの前にあっさりと折れた。周辺を軽く歩くにとどめ、その後は少しだけバスに乗り、安いと評判の「THE MASK SHOP」というお土産屋へと向かう。

10人分ともなると、お土産の総量もそれなりの数になる。安いと評判の店で、家族それぞれが気になるものを手に取っては吟味する時間が続いた。子供たちへのちょっとしたお菓子から、自分たち用のばらまき土産まで、気づけばそれなりの荷物が増えていた。

帰りのバスも、反対方向へ運ばれる

満足のいく買い物を終え、荷物を抱えてホテルへの帰路につく。ここでも、しっかりと一波乱あった。帰りのバスに乗り込んだはずが、気づけば反対方向へと運ばれていたのである。2日目の地下鉄に続き、まさかのバスでも同じ轍を踏むとは。10人揃って律儀に間違った方向へ進んでいく我が家一行、ここまで来るとある意味、旅の様式美になりつつあった。

夜は屋台で、寒空の中の乾杯

寒さに震えながら、荷物とハプニングをまた一つ増やしてホテルへ戻る。

ただ、この日はまだ終わらない。夜は、せっかくならと屋台飯にチャレンジしてみようという話になり、ホテル近くの防寒シート付きの韓国スタイル屋台へと繰り出した。ビニールシートに囲まれた空間は思ったより広く、大所帯の10人でも余裕をもって収まる。ただ、肝心の料理はというと、正直なところ「これは!」と唸るような美味しさとまではいかず、注文したものはチキンの割合がやたら多めだった。それでも、寒空の下でわいわいと囲む時間そのものは、それなりに味わい深いものだった。

3日目は、王宮の荘厳さと交代式の見応え、容赦のない冷え込み、恒例となりつつある方向感覚のなさ、そして夜の屋台の温もりが、印象深く同居する一日となった。

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