【子連れホーチミン旅行】7歳が大蛇を首に巻いた家族4人の体験記|ベトナム #3

クアラルンプールからホーチミン 旅行記
クアラルンプールからホーチミン

前回まで: 2カ国目クアラルンプールで、部屋替え交渉1時間、アロー通り3秒撤退、そして4歳の272段完全制覇。旅は折り返し、3カ国目のベトナムへ——そして、あのメールが届く国へ。


DAY6: 【要注意】のはずだった乗り継ぎ

朝6時半、Grabでホテルを出発。約1時間でKLIAへ。マレーシアも身体検査はゲート直前方式だった(シンガポールと同じ。もしかして東南アジア標準なのか?)。

この日の懸念は、計画書に【要注意】と書き込んだシンガポール乗り継ぎ1時間50分である。スーツケース2個、ベビーカー1台、子ども2人。計画段階の私は「余裕が少ない、迷わず移動できるよう事前確認」とまで書いていた。

結果——シンガポールでは行きとほぼ同じゲート付近に到着し、乗り継ぎは秒で完了。余裕がありすぎてフードコートで腹ごしらえまでした。

計画書の【要注意】マーク、完全なる空振りである。備えとはそういうものだ、と自分に言い聞かせた。

タンソンニャット空港、入国2〜3時間の地獄と15分の課金

ホーチミン、タンソンニャット空港に到着。入国審査場を見て、思わず声が出た。

エグい並んでる。

目測で2〜3時間コースの大行列。だが我が家には、事前に頼んでおいたKKdayのファストトラックサービス(約24,000円)があった。待機していたスタッフに搭乗券を見せると、政府関係者が通るようなレーンへ案内される。それでも15分は並んだが——一般レーンの2〜3時間と比べれば、天と地である。 7歳と4歳を連れて2時間半並ぶ地獄を、金で回避した。子連れなら、これは払っていい課金だ。

(KKdayファストトラックの価格・使い方・帰りも保険で持っておく価値については番外編:今回の旅を成立させてくれた5つのツールで詳しく)

バイクの海を越えて、30階のVIPカウンターへ

空港を出た瞬間、噂に聞いていた通りのタクシー客引きの群れ。全部無視してまっすぐGrab乗り場へ直行(これが正解ルート)。

市内への道中は、暴走族かと思うレベルのバイクの大群。今、日本ではあまり見かけない彼ら、ここにみんな集合していたのか——と思わせるほどの数。シンガポールの整然、KLの都会、そしてホーチミンのカオス。都市の圧が国ごとに上がっていく。渋滞気味でも40〜50分でホテルに到着した。

宿はプルマン サイゴン センター。ロビーでパスポートを出すと、なぜか「30階のVIPカウンターへ」と案内された。ラウンジのような空間で、コーヒーもジュースも軽食もご自由に、という待遇でのチェックイン。後から気づいたのだが、予約していた部屋が29階のスイートだったからだと思われる。

チェックイン後、ホテル前の銀行ATMでクレカキャッシング。ベトナムも一発成功。 通算成績: シンガポール全滅、マレーシア○、ベトナム○。初日の全滅は、本当に何だったのか。

命がけの横断歩道

夕食は調べて見つけたベトナム料理店シークレットガーデンへ。ベトナムで有名なサイゴンビールとコーラで乾杯し、香草がたっぷり使われた料理を楽しんだ。

ちなみに、上の子は日本でトカゲを飼っている。マレーシアのカヤトースト店に続き、この店でもヤモリを発見してテンションが上がっていた。旅先での「探す遊び」枠、爬虫類にまで広がりつつある。

食後はサイゴン川方面へ散歩。古いアパートの各部屋にカフェが入った名物ビル「カフェアパートメント」のある広場を抜け、川を見に行く——のだが、その横断が命がけだった。

バイクは止まらない。信号はない。横断歩道は、ある。ただの飾りとして。

4歳を抱っこして決死の横断。渡った先には特に何もなく、戻りもまた命がけ。ホーチミンの道路は、観光アトラクションである。疲れたので脇道からGrabを拾い、ホテルへ帰還した。


DAY7: 12時間ツアーに、4歳は耐えられるのか

この日は計画書で最も心配していた日——クチトンネル&メコンデルタ日帰りツアー、拘束12時間である。「4歳にはハードな可能性。柔軟対応が可能か事前確認」とまで書き込んでいた。

6時起床、6時半に準備完了、朝食。7時ぴったりにマイクロバス(15人乗りほど)がお迎え。我が家が一番乗りだったため、最後列の4席を確保。終日ここが「我が家の指定席」となった。子連れの席取りは、初動がすべてだ。

(このツアーはKlookで予約。日本語で予約完結・現地は英語ガイド・移動時間長めなど、実際に使ってみて分かったことは番外編:今回の旅を成立させてくれた5つのツールで詳しく)

クチトンネルと、両耳を塞ぐ4歳

クチトンネルは、想像と違って広い公園のような場所だった。ガイドに案内され、地下トンネルの穴や当時のトラップを見学(我が家は誰も穴には入らず。見るだけ)。

終盤、売店で小休憩となったのだが、そこが実弾射撃場の近くだった。本物の銃声が響き渡る中でコーラを飲む10分間。4歳は両耳を塞ぎっぱなしで耐えた。号泣カウントは、両耳ブロックにより防御成功である。マシンガンがあるのか、連発している人間が多数。

昼食はツアー参加者全員で、屋根付き屋外の食堂。暑い。味は——まずくもなく、おいしくもなく。 ツアー飯の最も正確な描写だと思う。

メコン川、謎の時間、そして大蛇

そこからバスで2時間。てっきりさらに奥地へ行くのかと思ったら、ホーチミン市内を突っ切ってメコン川に到着した。

エンジンボートで島に渡ると、上陸即お土産ゾーン。蜂蜜とココナッツの無添加キャンディの製造実演を見て、試食したら意外においしくて2袋購入。

そこから謎の時間が2連発する。①現地の人の音楽を聴く時間。②ドラゴンフルーツなどを食べる時間。メコンツアー経験者なら全員が「あの時間は何だったのか」と思っている、あれである。

ハイライトは手漕ぎボートでのニッパヤシのクルーズ(約15分)。……のはずだったが、子どもたちは両岸の水辺にいるハゼを探すのに夢中で、ジャングルの風景は完全に脇役だった。ナイトサファリの動物探しといい、子どもは「探す遊び」が最強らしい。

ボートを降りると蜂蜜の営業タイム。試食し、蜂の巣(蜂付き)を持つ体験で父が記念撮影。さらに奥へ進むと——巨大な蛇を首に巻けるコーナーがあった。

7歳、即答で「かける」。

そして実際に大蛇を首に巻いた。ミニオンで泣いていた妹との対比よ。これは間違いなく、この旅で一番の武勇伝である。

「ホテルじゃなくて、ここで降ろして」

帰りのバスで小雨に降られたが、1時間ほどで止んだ。ガイドに「ホテルで降ろそうか?」と聞かれ、我が家の答えは——「いや、ベンタイン市場の近くで降ろしてほしい」。12時間ツアーの直後に、である。腹が減っていた。

降ろしてもらったのは市場近くのPHO VIET NAMという有名店。そして、このフォーが——

本当に美味しい。直前のKLのフードコートで食べてしまった自分を悔んでも悔やみきれない。
香草の量からして別物。「もう一回食べたい」と全員一致。この旅のベスト飯、バクテーに強力なライバルが現れた。

12時間ツアーを4歳が完走し、7歳は蛇を巻き、締めに本場のフォー。一番心配していた日が、一番の当たり日になった。


DAY8: 運命の朝

翌朝、目を覚ましてスマホを見ると、ANAからメールが届いていた。

「台風の影響により、ご搭乗予定の便は欠航となります」

明日のバンコク発羽田行きが、飛ばない。薄々、気付いてはいたが…

世の中は今、ワールドカップで沸いている。我が家はタイ行きのアディショナルタイムに突入である。

……え、じゃあタイで一泊せなあかんやん。 一泊するってことは——もう服ないやん。

関西人でもないのに、思わず関西弁が出てしまった。

台風への第一リアクションが「洗濯の心配」なのが、生活者のリアルである(4日分しか服を持ってこない軽量パッキング戦略が、ここで牙を剥いた)。

マイル発券の罠と、800円のIP電話

メールには「アプリで変更可能」とある。が、試すとできない。マイルの特典航空券は対象外で、電話一択だという。

海外から日本への国際電話、料金がエグいのでは——と一瞬ひるんだが、昔から知っていたIP電話アプリに約800円チャージして日本のANAデスクへ。待たされに待たされた末、翌々日朝9:35バンコク発の便への振替に成功した。

誤解のないよう先に言っておくと、私はANAには日頃から本当にお世話になっている。仕事でもプライベートでも、基本的にはANAだ。サービスも機内も、どれも非常に好きである。

——ただ一点だけ言わせてほしい。なぜあんなにアプリやWebなどのデジタル面に弱いのか。 自分のスマホが壊れたのかと錯覚するぐらい、次の画面に進まない。それでも「電話一択」まで追い込まれた末に、ちゃんと繋がって振替てくれるのがANAである。ありがとう。恨みは、、、ない。

偽サイト、4連戦

次のタスクはタイの電子入国カード申請。ここで例の「3日前ルール」が牙を剥く。旅先のホテルで、翌日入国する国の申請をするしかない。

記入を進めると「ホテルの住所」を書く欄が現れた。つまりホテルを先に予約しないと申請が完了しない。翌朝9:35発=朝7時空港着が必要なので、市内と空港の中間あたりのホテルをTrip.comで即決。

そしてアライバルカード申請に戻ると——ここからが地獄だった。

検索して出てきたサイトでパスポート情報などを全部入力し、最後まで進むと**「一人40〜50ドル」の支払い画面**が出る。……ん? アライバルカードって、無料じゃなかったか?

偽サイトである。 焦っている旅行者を狙った罠が、検索結果にわんさか並んでいるのだ。これに2〜3回引っかかりかけ、4度目の正直でようやく正規サイト(無料)にたどり着いた。合言葉はこれだ——「支払い画面が出たら、それは偽物」

朝のバタバタ、しめて約2時間。

それでも旅は続く: 20万ドンの攻防

緊急対応を終えたら、通常運転再開である。コインランドリーを見つけてGrabで直行、洗濯乾燥一体型に服をぶち込み、回っている間に徒歩でベンタイン市場へ。

通路は激狭、四方から日本語で「安いよ」「ベルト」「かばん」「財布」。全部無視——のはずが、子ども用Tシャツに目が留まる。交渉開始。

店側の言い値、2枚で49万ドン。明らかに盛っている。こちらの提示、15万ドン。相手「25万」「20万」と刻んでくるが、こちらは一歩も引かず15万を連呼。最終着地、20万ドン(約1,200円)。初手から6割引。ベンタイン市場デビュー戦、勝利である。

バインミーの逆襲と、51gで5千円のコーヒー

まだ食べていなかったバインミーを調達し、スタバへ持ち込んでコーヒーと共に実食(ここで白状すると、私は各国のスタバでタンブラーを集めている。シンガポール、マレーシアに続き、ベトナムのタンブラーもここで確保した)。

バインミーは、食べている時はうまかった。夜、腹が痛くなった。 一発で回復したが、屋台系サンドの洗礼である。

その後は高島屋(サイゴンセンター)へ。まず立ち寄ったのはユニクロ。ベトナム限定デザインのTシャツを、家族4人それぞれ違う柄で4枚買った。フォー柄、ノンラー(あの被る三角笠)柄、ベトナム伝統モチーフ数種。ユニクロ限定コレクション、2カ国目を確保。

同じ高島屋でジャコウネココーヒーを探索。見つけたが、51gで5千円強。話のネタ代込みで購入。地下のスーパーで3カ国目のお土産を両手いっぱいに買い込み、14時にホテル帰還——からの、恒例のプールタイム(3カ国皆勤達成)

満腹、そして「まだ終わらない」

夕方は「せっかくだから」と30階のラウンジへコーヒーを飲みに行ったら、17時から軽食サービスが始まった。実態はほぼビュッフェ。たらふく食べ、妻は白ワインから赤ワインへ。KLに続き、夕食が2度目の無料化を果たした。

……で、終わらないのが我が家である。「夜の市内、まだ見てないじゃん」とGrabで出撃。ホーチミン像の前で記念撮影し、「原宿みたいな通りがある」と聞いて歩いたら全然原宿じゃない普通の通りで、蓮茶(ハスの葉のお茶)を求めて彷徨って一杯飲み、オペラハウスの前を通ってホテルに帰った。

ベトナム最終夜、思い残しゼロの完全燃焼である。


欠航のメールで始まり、市場の攻防と満腹のビュッフェで終わった一日。ベッドに入りながら、ふと思う。

明日、我が家は予定になかった国に入国する。

(次回: 【#4・最終回】台風がくれた、予定外の4カ国目|バンコク編)

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