持っていったのに、使わなかったもの|家族4人・10日間の荷造りで分かった3つの分類

持ち物・準備

持ち物の記事というのは、たいてい「これを持っていけ」と書いてある。

私も以前、持ち物を紹介するページを作った。実際に役立ったものを並べたので、内容に嘘はない。ただ、あれを読んで荷造りをすると、荷物は増える一方である。

今回は逆を書く。持っていったのに、使わなかったものの話だ。

そして書いているうちに気づいたのだが、「使わなかった」には種類がある。全部が無駄だったわけではない。使わなくても持って行くべきものもある。そこを混同すると、いつか痛い目を見る。

「使わなかった」には、3種類ある

先に結論を出す。私の荷物を振り返ると、使わなかったものはこの3つに分かれた。

分類どうするか
① なくても、現地でなんとかなるもの持っていかない
② なかったら詰むもの使わなくても毎回持っていく
③ 持っていたのに、取り出せなかったもの入れる場所を変える

判断を分けているのは、使う確率ではない。使う確率で選ぶと、②が全部こぼれ落ちる。

見ているのは無かったときにどうなるか、それだけである。

① なくても、現地でなんとかなるもの

ここに入るものは、思い切って外していい。忘れても旅は続く。

変圧器は、そもそも家にない。

海外旅行の準備リストに、今でもよく載っている。

私は持っていない。あったような気もするが、どこかへ消えた。探してもいない。

理由は単純で、重いからだ。あの大きさと重さをスーツケースに入れて、それで何ができるかというと、大して何もできない。今どきの充電器はほぼ全世界の電圧に対応している。わざわざ変圧する対象が、荷物の中に見当たらない。

変換プラグのほうも、持っていって使わなかったことがある。ホテルの枕元にUSBポートがついていることが、もうほとんどだからだ。

洗剤も石鹸もハンガーも、現地でどうにでもなる。

これは断言できる。絶対にいらない。

長い旅程なら服は現地で洗う。洗う手段はその場で見つかる。そのために日本から洗剤を持っていく必要はないし、ハンガーに至っては何のために入れるのか分からない。

圧縮袋も使わない。あれで圧縮したところで、重さは1グラムも減らない。それどころか、調子に乗ってお土産を詰めすぎ、スーツケースの重量オーバーで引っかかる。

靴は1足。4カ国をサンダルで回った。

私は靴を2足持っていかない。絶対に1足である。

靴はスーツケースの中でいちばん場所を取る。形が崩せないし、他のものを詰められない。1足増やすだけで、荷造りの難易度が跳ね上がる。

シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ。この4カ国を10日間で回ったとき、私が持っていったのはサンダル1足だけだった。スニーカーは持っていかなかった。

選び方は、出発前にこう考えただけである。

  • どうせ暑い
  • サンダルで入れない場所はあきらめるか、どうしても入りたかったら現地で靴を買う。
  • プールにも入る

そしてサンダル1足で10日間を全部乗り切った。

逆にスニーカーで行くと決めたなら、今度はスニーカー1足しか持っていかない。どちらにしても、足元は1つに決める。

ケーブルは6本持って、2本しか使わない。

これは毎回やる。そして毎回同じ結果になる。

5本も6本もケーブルを入れて、実際に使うのは3本である。残りは行きと帰りで、ただ移動しているだけだ。

充電器も同じで、一人の出張なら3つほど持っていく。3つ全部が同時に必要になる場面は、思い返すとあまりない。

ここは私の反省点として書いておく。ガジェット類は、気をつけないと無限に増える。

② なかったら詰むもの

ここからが本題である。毎回使わない。それでも毎回入れる。そういうものがある。

現金は使わない。それでも15万円程度持っていく。

まず現状を書いておくと、海外で現金を使う場面は、年々減っている。

カードもほとんど出さない。出張中なら空港で1、2回。それ以外の国でも、支払いは携帯のタッチでほぼ片がつく。唯一カードを出すのは、公共交通機関の改札でタッチするときくらいである。

中国への出張のときは、現金は日本円で2,000円か3,000円分しか持っていかない。そしてそれを使わずに、そのまま持ち帰ってくる。

それでも持っていく。何が起きるか分からないからだ。

家族旅行になると、金額は変わる。私が10万円ほど。10日間のような長い旅程なら15万円。それとは別に、妻にも5万円ほど持ってもらう。分けて持つのは、片方が無くなったときのためである。

そしてここが大事なところだが、両替はしない。円のまま持っている。

必要になるまで、財布の中で円のまま眠らせておく。使う場面が来たら、そのとき現地で替える。先に替えてしまうと、使わなかった分がそのまま損になる。

つまりこの15万円は、支払いのための現金ではない。何かあったときに動くための現金である。だから使わずに帰ってくるのが正常な状態だ。

マスクは毎回、出番を逃す。

機内は乾燥する。夜のホテルも乾燥する。だからマスクを入れる。

そして毎回、出すタイミングを逃す。

つけようと思った頃には眠っているか、荷物の奥にあるか、どちらかである。気づいたら帰国している。

それでも次の旅行でも入れる。軽いし、場所を取らないし、必要になった瞬間に手元にないと意味がないものだからだ。

薬は、使わなかったことが成功である。

常備薬、子ども用の薬。これは念のために持っていく類のものだ。
そして現地で薬を買ったという記憶が、大人の分も含めてほとんどない。

薬を使わずに帰ってこられたということは、10日間、家族4人の誰も倒れなかったということである。これは「無駄な荷物だった」ではない。成功した旅だった、というだけの話だ。

①と②を分ける線は、ここにある。洗剤は忘れても現地で買える。薬は、必要になった夜に買いに行けるとは限らない。

③ 持っていたのに、取り出せなかったもの

3つめは、他の持ち物記事であまり見かけない分類である。持ってはいた。なのに使えなかった。

長袖は、寒さに間に合わなかった。

東南アジアに行くとき、長袖はいらない場合が多い。現地は暑い。実際、滞在中に長袖を着る場面はほとんどなかった。

ただし、機内は別である。

夏に東南アジアへ行こうが、機内の温度は関係ない。実際、寒かった。

では長袖が役に立ったかというと、立っていない。スーツケースの中に入っていたからだ。

預け荷物に入れた瞬間、その服はこの世に存在しないのと同じになる。結局、客室乗務員にブランケットをもらって解決した。

だから、持つかどうかの前に、どこに入れるかがある。

この話が言いたいのは、長袖を諦めろということではない。

持ち物を決めた後に、もう一段の判断がある、ということである。

  • 移動中に使う可能性があるもの → 機内持ち込みの手荷物
  • 現地に着いてから使うもの → 預け荷物

長袖、上着、常備薬、モバイルバッテリー。このあたりは、持っていくかどうかより、どちらに入れるか。そちらのほうが結果を左右する。

預け荷物に入れた長袖は、持っていかなかったのと同じである。

詰め方の話

ここまでは何を持つかの話だった。最後に、どう詰めるかを2つ書いておく。

エコバッグに服を逃がして、スーツケースに空きを作る。

エコバッグは毎回持っていく。買い物用ではなく、帰りの荷物のためである。

土産にお菓子を買うことが多い。そして袋菓子は潰れる。スーツケースにぎゅうぎゅうに詰めて上から押さえつけて閉める、というのは、正直かなり怖い。

そこでこうする。

なくなっても困らないもの——つまり自分の服を、エコバッグのほうに移す。そうしてスーツケースに空きを作り、そこにお菓子を入れて帰ってくる。

服は多少潰れても問題がない。お菓子は潰れると価値がなくなる。壊れて困るほうを、硬い箱に入れる。それだけの話である。

4人でスーツケース2つ。

我が家は家族4人で、スーツケースは2つである。

片方に妻と子ども2人の荷物。もう片方に、私の服と薬などの共有物が入っている。

3人分が1つに収まって、私が1つを使っている。書いていて気になるが、実際そうなっているのだから仕方がない。

そしてガジェット類は、どちらにも入れない。カメラ、充電器、ケーブルは私のリュックの中である。預け荷物に入れられないものが混ざっているので、そこは分けている。

なお、動画を撮るのはアクションカメラだけで、一眼などは持っていない。そしてそのアクションカメラも、結局は携帯で済ませてしまうことが多い。

私はYouTuberではないので、長く回し続けるということに、どうしても慣れない。1分か2分撮って止めて、また1分撮って止める。そういう撮り方になる。

それでも次も持っていく。

判断基準は、ひとつだけでいい

長く書いたので、ひとつにまとめる。

忘れたとき、現地で買えるか。

買えるなら、持っていかなくていい。洗剤、物干し、変圧器、2足目の靴、6本目のケーブル。全部そちら側である。

買えないなら、使わなくても持っていく。現金、薬、マスク。使わずに帰ってきたら、それは荷物が無駄だったのではなく、旅がうまくいったということである。

そしてもうひとつ。

持っていくと決めたら、どちらの荷物に入れるかまで決める。

預け荷物に入れたものは、飛行機を降りるまで存在しない。

荷物は、年々増えている

最後に、少し予想と違うことを書いておく。

旅慣れれば荷物は減る、とよく言われる。私の場合、逆である。

年々、増えている。

子どもの体が大きくなり、年齢を重ねるにつれて、できることもやりたいことも増えていく。その分だけ、持っていくものが増える。

もっと大きくなれば、たぶん減る。子どもが携帯1台で自分の時間を潰せるようになれば、荷物は一気に軽くなるだろう。ただ今の年齢では、タブレット1台で1日をしのぐというわけにはいかない。

つまり今が、荷物の量のピークである。

そしてもうひとつ、先の話がある。今はまだ子どもに自分のスーツケースを引かせていない。4人で2つのまま動いている。もう少し大きくなれば、一人1台を引いてもらうことはできる。

ただ、そうなると今度はタクシーに載らない。

4人分のスーツケースが後ろに入る車を、毎回どうやって押さえるのか。考え始めると面倒な話である。

まぁ、それはその時に、また考えればいい。

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